作家の心構え、心があの世に通じてしまう

作家の中には、気がおかしくなる方が結構おられるそうです。作家は、物語の主人公に成りきって執筆します。愛情を描いたものであればいいですが、たとえば暴力、ポルノ、サスペンスものを書く場合は、その情景を心に描きながらペンをとることになります。毎日心に描いて書き進めますので、潜在意識にまで深く情景が焼き付きます。そうして知らず知らずの内に、自分の意識が蝕まれてゆきます。心に描いた世界とあの世とで同通してしまいます。暗い心になりますと暗い世界に通じ、争い事ばかりを考えていると、そのような世界とコンタクトされます。同じ心の波長なので共鳴するのです。

類は類を呼ぶといいます。同じ波長の者同士が集まるのです。友達や仲間というものは似たもの同士が多い。もしも自分が成長したいなら、自分よりも意識の高い人達と付き合った方がいい。勤勉な者は教養が豊かであり、彼らから多くを学べる。作家が小説を書く場合は、自分の人生経験や物語にまつわる取材がベースとなることでしょう。自分の人生経験に基づかない小説では、読者の心を捉えることはむづかしい。人の心は同じように出来ているので、相手の心を推し量ることは出来そうですが、無謀であるとも言えます。大人は子供達の気持ちは分かるが、子供達は大人の気持ちは分からない。この世に出てからの経験が違うからだ。

正法では、反省と瞑想、そして八正道により心のチェックを行う。心は常に揺れ動き、なかなか安定しないものです。常に冷静な第三者の立場で自分を見れるようになる。その為には、毎日の反省は欠かせません。その日一日の自分の行動、言動を省みて、いけない点がなかったか振り返ります。反省の項目は、十代の歳で1000有り、五十代ならば5000有るそうです。親と自分との関係、兄弟と自分、友達と自分、同僚と自分、異性と自分、夫婦と自分、こうして反省して数えて、五十代なら5000項目です。これをしないと心は本当に綺麗にはならないそうです。

格闘技などでは相手と格闘しますから仕事と割り切ってはいてもカルマの温床となります。原因に対する結果は必ず輪廻します。ただし結果はすぐには現れず時間を置いてから訪れますので因果律が見極めにくいのです。仕事上、大声を張り上げたり、怒鳴ることもあるでしょうが、一日の終わりには自分を見つめる機会が絶対に必要です。酒を呑んで憂さ晴らしで終わらせてはいけません。私達の身の回りは、心を撹乱する要因で溢れています。自分の心を健全に保つには毎日反省することです。

一人になれる時間を作り音を消す。そして自分の心を見つめて心が安らいでいるか確認してみます。心にざわつきがあったりイライラがあれば落ち着けます。心が安定しないのは必ず原因があります。原因を突き止めない限り、心の安らぎは得られません。苦悩の種があれば死ぬまで引きずることでしょう。苦悩の種を一つ一つ消さなければなりません。自分の力でやるしかありません。他力では無理です。お坊さんにお金を払い祈願してもらっても出来ません。なぜなら自分の心の王国の支配者は自分自身だからです。

現代社会は、昼夜の別なく経済活動が行われており睡眠時間も少なくなっています。寝る時間を確保するのに精一杯という方も多い。今やうつ病患者は増加の一途です。自分がうつ病であることを、著名人の方であっても躊躇することなく公にされています。高い自殺率が収まる気配はない。うつ病患者には自殺の誘惑が潜んでいますので当然かも知れません。自分の心を守れるのは自分自身であることをよく知ることです。正法では、すべての行為の根底には、愛の理念があります。愛を根底にして思念します。